We Cityはどのような学習効果があるの?スタッフ編 - We City #7 レポート③

3月8日に開催した We City #7。

小学生の学びだけではなく、当日一緒にまちをつくってくれた中高生・大学生スタッフの変化にも、僕はとても大きな意味を感じています。


スタッフアンケートを読む中で強く伝わってきたのは、みんなが単なる「お手伝い」ではなく、こどもたちと本気で向き合いながら、自分自身も学び、成長していたということでした。

「社会や地域に関わることの大切さを実感できた」「これからも教育やまちづくりに関わりたい」といった声が多く、自分の役割や強み、新しい価値観に出会っていく姿が本当に頼もしかったです。


当日は、わかりやすく伝えるために言葉を選んだり、予定どおりにいかない場面で臨機応変に動いたり、ブースを越えて助け合ったりと、一人ひとりが目の前のこどもたちのために動いてくれていました。

その姿があったからこそ、こどもたちは安心して挑戦できたし、We Cityという“まち”がちゃんと息をしていたのだと思います。


もちろん、うまくいかなかったことや反省もたくさんあったはずです。

でも、だからこそ価値があるとも感じています。 完璧だったからいい場になったのではなく、みんなが本気で向き合ってくれたからこそ、学びのある場になりました。


改めて、関わってくれたすべてのスタッフのみんな、本当にありがとうございました。

みんなの存在が、こどもたちの学びを支え、このまちを動かしてくれました。

そしてこの経験が、「またやりたい」「自分も誰かのために動いてみたい」という次の一歩につながっていったら、主催者としてこんなに嬉しいことはありません。


We Cityは、関わる人と一緒に育っていくまちです。

また次のまちで、一緒に景色をつくれる仲間と出会えるのを楽しみにしています。



1. スタッフアンケート全体から見える、運営側の学びと変容

スタッフアンケート全体からは、単なる「運営補助」ではなく、学生スタッフ自身が社会参加や教育実践の担い手として成長していった様子が明確に見て取れました。

特に、以下の4つの傾向が顕著でした。

① 社会や地域への関わりを「自分事」として実感している

「社会や地域に関わることの大切さを実感できた」では90.0%が最高評価となっており、本事業がスタッフにとっても、社会参加の意味を体感する機会になっていたことが分かります。

また、「今後も教育やまちづくりに関する活動に関心を持ち続けたい」は95.0%が最高評価であり、一過性の体験にとどまらず、今後の行動意欲につながっている点が大きな成果です。


② 「教えること」を通して、自分自身の理解が深まっている

「伝える・教えることの難しさと面白さの両方を感じた」は95.0%が最高評価で、スタッフの多くが、こどもに教える経験そのものを重要な学びとして受け止めていました。

さらに、「子どもに説明した内容について、自分自身の理解も深まった」は70.0%が最高評価、25.0%が3評価となっており、教えることが最も深い学びになるという実感が広がっていたことがうかがえます。

自由記述でも、「職業や言葉の意味を改めて調べて学ぶことができた」「学生が教えることで、子どもたちも学生も深く理解できる」といった声が見られ、“教える側も育つ”学びの循環が生まれていました。


③ 多世代協働の中で、新しい価値観や自分の強みに気づいている

「他の参加者との関わりを通して、新しい価値観に気づけた」では75.0%が最高評価、「他者と協力することで、自分の役割や強みが整理できた」でも75.0%が最高評価となりました。

小学生と関わる経験、同世代スタッフとの協働、年齢の異なる人との対話を通して、スタッフ自身が「自分はどう関わるか」「どんな場面で力を発揮できるか」を考えるようになっていたことが読み取れます。

特に自由記述では、「自分が持っていない価値観や気づきを得られた」「教える立場を体験したことで新しい視点を持てた」といった記述が多く、多世代共創そのものがスタッフ育成の場になっていたことが分かります。


④ 反省を次につなげようとする、主体的な振り返りが育っている

「思い通りにいかなかった場面や課題を、次に活かしたいと思えた」は90.0%が最高評価であり、単なる満足度ではなく、改善意識を伴った振り返りができている点が特徴的です。

「もっと台本を読み込みたかった」「説明を工夫したい」「他スタッフともっと連携したい」など、反省点は多く挙がっていましたが、それらは自己否定ではなく、次回に向けた建設的な学びとして言語化されていました。

このことは、We Cityがスタッフにとっても「参加して終わり」ではなく、試行錯誤しながら成長できる実践の場として機能していたことを示しています。

スタッフアンケートから見える、良かった点・継続したい価値

自由記述からは、スタッフが良かったと感じたこととして、主に以下のような点が見えてきました。 

① 子どもとの直接的な関わりの充実

最も多く見られたのは、子どもと関わることそのものの楽しさや手応えに関する記述でした。

「子どもたちと仲良くなれた」「すれ違った時にも話しかけてくれた」「子どもたちを楽しませることができた」といった声からは、単なる運営ではなく、こどもと信頼関係を築きながら場をつくる喜びが伝わってきます。

また、「やっぱり子どもと触れ合うことが好きだと再認識できた」という記述に見られるように、自分の関心や適性を再確認する機会にもなっていました。


② 協力しながら場を回す達成感

「ブース間で連携しながら体験を進められた」「様々な年齢の人と協力できた」「スムーズに回せた」といった記述からは、個人プレーではなく、チームで場をつくる達成感が強く感じられます。

We Cityのように多様なブースが並行して動くイベントでは、連携そのものが学びになります。

スタッフアンケートからは、協力しながら一つの街を支える経験が、参加者の満足感や成長感に大きく寄与していたことが分かります。


③ 自主性・臨機応変さの価値

「誰かがやってくれるではなく、自分ならどうするかを考えられた」「その場に応じて臨機応変に対応すること」「自主的に動くことを大切にしたい」といった記述も多く、スタッフ自身が“指示待ち”ではなく、自分で考えて動くことの大切さを学んでいたことが分かります。

これは、We Cityの運営が単なるマニュアル遂行ではなく、状況に応じて判断し、関わり方を工夫する実践型の学びだったことを示しています。


④ 学びを次の活動や日常へつなげたいという意欲

「これからの活動や日常にも活かしたい」「今後も継続していきたい」「また参加したい」といった記述からは、本事業がスタッフにとっても強い動機づけになっていたことが読み取れます。

特に、教育やまちづくりに関する活動への関心が高まったことは、将来的な地域人材・担い手の育成という意味でも大きな成果です。

成果と総括

「We City #7」は、こどもたちにとっての学びの場であっただけでなく、学生スタッフにとっても、社会参加・教育実践・地域との関わりを自分事として捉え直す成長の場となりました。

アンケート結果からは、 

  • 社会や地域への関心の高まり
  • 教えることを通した理解の深化
  • 多世代協働による価値観の拡張
  • 自分の役割や強みの再発見 課題を次に活かそうとする改善意識

といった変化がはっきりと見て取れます。

特に、

  • 「社会や地域に関わることの大切さを実感できた」90.0%
  • 「教育やまちづくりへの関心を持ち続けたい」95.0%

という結果は、本事業がスタッフ自身の市民性や当事者意識を育む機会になっていたことを端的に示しています。

また、自由記述からは、子どもとの関わりを通して得られる手応えや、協力して場をつくる充実感が多く語られており、We Cityがこどもと若者がともに育ち合う“多世代共創の学びの場”として機能していたことが分かります。 


一方で、台本共有、時間設計、年齢差への対応、スタッフ間連携など、運営面での課題も明確になりました。

ですが、それらはイベントの価値を損なうものではなく、むしろスタッフ自身が具体的に振り返り、改善点として言語化できている点に、本事業の教育的意義があります。

「We City #7」は、こどもたちにとっての主権者教育の場であると同時に、学生スタッフにとっても、地域に関わる力・他者に伝える力・協働して場を支える力を育む実践の場となりました。 

次世代の担い手を育てる持続可能な学びのプラットフォームとして、今後さらに発展していく可能性を持った取り組みであったといえます。